NHKのBSで放送されている「名曲探偵アマデウス」という番組ご存知ですか?
クラシックの名曲を結構詳しく取り上げる傍ら、レギュラーの筧利夫と女の子に毎回ゲストの役者が加わる形で、そのゲストが何らかの問題を持ってきて探偵である筧さんと共に問題の解決を目指すというような番組なのです。
説明下手な僕の文章では何が何だかわからないとは思いますが・・・
でも、実際、変な番組なのだから仕様がない。
まあ、見てみて下さい。言っていることは間違っていないから。
そんな変な番組ではあるのですが、以前見たときは、バッハの『ゴルトベルク変奏曲』を取り上げていて、ゴルトベルグ変奏曲を単なる子守唄のような曲だと思っていた僕にとっては、かなり勉強になりました。
神業とも言える作曲技法をわかりやすく分析していたし、「バッハはゴルトベルク変奏曲に宇宙の構造を当てはめた」とかなんとか、目から鱗なことも知ることができました。
なので、時間がうまく合ったときにはこの番組をチェックしていたのですが、何日か前に放送された回はDVDに予約録画しておいたのです。
それはなぜか、その回に取り上げられた曲は僕が一番好きなクラシックの曲(交響曲)だからです!
Berlioz Symphony Fantastique 4th mov. "Marche au supplice"
そう、ベルリオーズの幻想交響曲です。
幻想交響曲の概要についてのページ↓
http://kcpo.jp/info/35th/genso0.html
この曲に限っては、僕はそれなりには知識を持っています。
スコアを買って曲の構造を勉強したし。
といっても、固定楽想(idée fixe)がどんな風に登場するのか調べた程度ですが・・・ははは。
なので、自分がまだ知らない事実を知ることができたらなぁと楽しみにしていたのですが、結論から言うとほとんど知っていることばかりであまり新しい知識は得られませんでした。
番組で紹介されていたのは、ベルリオーズがこの奇異な曲を作りだした理由や、それから特徴として、2楽章のハープ2台を使った使用法や3楽章コーラングレとのオーボエ(バンダ)の掛け合い、最後のティンパニの使用法(雷のところ)、5楽章の弦楽器の特殊奏法などなど。
「ほぅ」と思ったのは、一番最初に固定楽想が奏でられるときに低弦が唸るような音を出しているのは、主人公の心臓の音を現してること。
それから3楽章のコーラングレとのオーボエの掛け合いは、音の低いコーラングレが主人公を現していて、遠くで高い音を出すオーボエが恋する人を現しているという点。
物足りなかったのは、ベルリオーズ自筆のプログラムについての考察がもう少し丁寧であってもよかったかなぁと。
現在は、幻想交響曲は1楽章から既に主人公がアヘンを飲んで夢に落ちているとして扱われているけれど、かつてベルリオーズは3楽章までは現実の世界で4楽章からが夢の中と捉えていたこともあったらしいので、ここら辺は面白いと思うんですよね。
それじゃあ楽曲の分析じゃなくなっちゃうか・・・。
番組中で実際の演奏として小林研一郎&日本フィルの演奏が取り上げられており、コバケンさんのインタビューも最後にちょこっとありましたが、彼は幻想交響曲には「希望」があるんだと言っていましたね。
「苦痛の中から、それでも希望を抱かせてくれる」とかなんとか。
これは意外でした。
恋する人に自分の想いが届かず、ベルリオーズは音楽の中で恋する人を殺した。
この曲には恋しさあまって憎さ100倍みたいな彼の想いが隠れているに違いない。
完全な推測ですが、彼はきっと彼女のことを忘れたいという思いがあったのではないかと思うのです。
「忘れたいのに忘れられない」
まさに恋ですね。その想いを吹っ切ろうと思って彼は彼女を音楽の中で派手に殺したのではないかなぁと。
そんなことを感じて幻想交響曲に接してきた僕には「希望」というキーワードはかなり意外でした。
でも幻想交響曲が得意な指揮者が言うのだからきっとそういう面もあるのだろう。
幻想交響曲には『レリオあるいは生への復帰』という続編となる作品がありますが、『レリオ』まで通して聴くと確かに「希望」というか、「きっとどうにかなる」と落ち込みながらもあきらめない姿勢みたいなのは表れている気はする。
あれこれ考えたところで、仕様もないので、そろそろ終わりにします^^;
でも、こういう風に考えるのが楽しかったりもする。
このHPはかなり参考になります↓
新・ベルリオーズ入門講座
http://www.kurata-wataru.com/berlioz/berlioz.html

